:::Love New Year's Day!:::
   NEW YEAR'S DAY −約束の日−
監督: スリ・クリシュナーマ
脚本 原作:ラルフ・ブラウン
音楽:ジュリアン・ノット
出演:アンドリュー・リー・ポッツ、ボビー・バリー、ラルフ・ブラウン
製作年度:1999年

冬休みに学校の仲間とスキー旅行中に雪崩にあってしまい、恋人も仲間も失ってしまい残された二人の少年の話。
なぜ自分たちだけが生き残ってしまったのか?どうして自分は生きているのか?苦悩しながら、二人は、死ぬことを決意する。
期限は一年後。残された一年の間に「生命の書」に書かれた事項をクリアしていく。
「生命の書」には、二人が死ぬまでにやり残した12の事項が記されている。
事項を次々クリアしていくうちに、生きる意味の尊さに気づくという話。
残された少年たちのやるせなさが痛い。
事故直後は、皆、残された彼らに同情的だが、気丈に振舞う彼らを見て、時間が経ってしまえば、いつもどうり生活に戻っていく。
しかし、彼らの心は事故直後のまま。
そんな中、色々な問題を起こしながら、残されてしまった現実に向き合っていくんだけど、
心と行動のアンバランスになりつつも、あやうい状態で均等を保ってる姿に引き込まれていく感じがした。
こういった状況で最後には、カウンセラーや家族でさえも無力で、あとは、自分たちで乗り越えていくしかないんだよね。
それは、傷の舐めあいでもなく、本当の意味で乗り越える。そんなとき、残されたのが一人ではなく、二人でよかったなぁと思う。
映画の中で、スティーブンはとても鋭い感じ、ジェイクは、兄弟思いのちょっとぼんやり優しいおにいちゃんだったけど、
DVDに収録されている特典映像を見てると、まったく逆だった。
スティーブン役の子はほんわりマイペースで、ジェイク役の子は、男らしくて無骨な感じだったのが面白かった。
タイプがまったく違う二人で、会う事もなかっただろうって言ってたけど、
出会ってしまうととてもお互い居心地がよいらしくとても仲がいいそうな。
日本に映画祭で来日したときも、ずっと仲良くしゃべりっぱなしだったらしい。
とても若者らしい自然な二人の映像が、映画とは関係ないけど、印象的だったな。

ちなみに、先に原作本を読んだんだけど、翻訳は芥川賞受賞作「蛇にピアス」作者金原ひとみのお父さん金原瑞人。
金原ひとみが受賞時にお父さんに勧められて書き始めた話とか、高校中退しても好きな事をやらせてたり、
とても理解のあるお父さんだなって思ってたんだけど、あとがきを読んだら納得した。
親って普通に育ってくれたらって思う親が多いと思うんだけど、普通って結構難しいし、個性って別のものじゃない?
でも、この翻訳家は分かって、子どもの個性を尊重したんだなぁと思って、感心した。
それってすごいなぁと思いました。

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